●ゲッサン10月号までの評価 その4
最後はサンデーの2軍「サンデー超」からスライドしてきた若手勢。
『とある飛空士への追憶』 作画:小川麻衣子、原作:犬村小六 (ゲッサン/連載)
評価 7/10
9月(42+30P)↑ 10月(32P)↑
『ローマの休日』 +『天空の城ラピュタ』を意識して描いたとされる
人気ライトノベルの漫画化作品ということですが
さすがに人気なだけあって話は面白いです。
1話目は主人公の紹介、2話目はヒロインの紹介
3話目で飛行機に乗って少し飛んだだけのスロースタートですが
やはり面白いな・・と思いました。
小出しにする細かい設定の積み重ね&それでいて軸はシンプル(身分違いの恋)
分かっていてもなかなか出来ない必勝パターンでしょうね。
サンデーの場合、説明するのが目的のように大っぴらに
必死に説明・・説明・・説明で軸を出し切らないうちに次号
みたいな新連載が少なくないのでこういうのは新鮮です。
そんなわけで話は良いんですけど、漫画家の力量不足でしょうね。
小川麻衣子先生、サンデー超では結構プッシュされていた方なんですけど
この原作をコミカライズするのは荷が重かったかもしれません。
原作がラピュタを多分に意識している作品であり
小川先生も作風で考えれば宮崎駿先生のような
か弱い容姿なのに芯のある絵柄が漫画家としての着地点でしょうから
抜擢した理由は分からないではないのですが
肝心の飛行機がね・・あまりにも酷過ぎて飛行機のシーンは見てられないです。
これだけでも専用のアシスタントさんか
イラストレーターを雇った方がいいのでは?と思ってしまうぐらい酷い。
それに『リンドバーグ』でプラモが初めて空を飛ぶシーンなんかは
登場人物が何もしゃべらなくても
大空を飛ぶ気持ち良さが表現されていたと思うのですが
こっちは空のシーンを見ても全然気持ち良さが伝わってこないです。
やっぱり力量不足でしょうね。
今更、作画担当を変えるわけもないでしょうから
なんとか上達して欲しいですけど・・・
『忍びの国』 作画:坂ノ睦、原作:和田竜 (ゲッサン/連載) 評価 7/10
6月(55P)↑ 7月(50P)↑↑ 8月(36P)↑↑ 9月(38P)↓ 10月(38P)↑
こちらもコミカライズということで話は文句なしに面白いです。
第1話を読んで平兵衛が主人公で無門が仇かと思いきや
無門が登場人物紹介のトップに来ていて驚きました。
なんとかお国さんを嫁にしようと頑張ってるエピソードを読むと憎めないですね。
平兵衛からすれば弟の仇なんでしょうけど・・・。
元ガンガン系から移籍してこられた方という先入観もあるせいかもしれませんが
読んでいて端々で『鋼の錬金術師』に代表されるような
ガンガン系で良くある、キャラのデフォルメ表現が気になるところです。
これやるとキャラにはより愛着が湧くと思うのですが
弊害としてテーマが重いのにキャラが軽く見えちゃう面もあるので
結果的にずしっとくるものがなくて浅く思えちゃうところがあって
全体では損してるかもしれません。
絵が真っ黒でかなり濃いわけですから作風とも合ってませんしね。
作家さんが本来描きたいものと
話の方向性が合ってないということもあるでしょうし
単行本を買うようなターゲットの読者も絞れてないような気がします。
あと、良く言われることですけど、痛がってる表現の有無。
ガンガン系は悪い意味のゲーム的と言いますか、
基本的に切られても痛がらないことが多いですが、
この漫画もちっとも痛そうじゃないのが気になるところです。
痛がらないとファンタジックな感じになってしまうので
信長とか戦国時代の生身の人間を扱うのなら痛がる描写は必須だと思います。
それでも普通ならまだ連載デビューしていないような新人さんですから
色々な面が今後改善されてオリジナルの作品を描く時にそれが生きてくるようだと
原作つきの連載をこなした甲斐があったということになりますね。
今は『忍びの国』の面白さに引っ張られている状態で十分だと思います。
『マコトの王者 ~REAL DEAL CHAMPION~』 福井あしび (ゲッサン/連載)
評価 4/10
6月(42P)↑ 7月(48P)↓ 8月(48P)↓ 9月(44P)↓ 10月(44P)↓
偉大な元王者と新王者の意識が入れ替わってしまうというボクシング漫画で
赤コーナー(元王者/体ベース)と青コーナー(新王者/体ベース)の
同時連載が最大の特徴ですが
ボクシング漫画なのに最初の20ページ以外試合シーンがないのが
致命的にダメなところ。
5ヶ月間の連載で、既に単行本1巻分以上連載しているわけですから
展開が遅いと言わざるを得ないです。
まるで長期連載確定であるかのようにスローペースなのは
問題あるんじゃないでしょうかね。
赤と青に分けたのだからどちらかは日常話中心でも良いと思いますが
片方は試合中心に進めるべきだと思います。
で、もう片方が試合始めたら今度は片方が日常を描けば良いわけで
最低限のメリハリはつけて頂きたいです。
そして、絵の方ですが
絵は頭打ちな絵というか自分なりに完成されてはいると思いますが
コロコロ/ボンボン系のような絵でリアリティを全く感じない絵なので
一旦崩してもう少し攻めて欲しいですね。
『イボンヌと遊ぼう! 』 荒井智之 (ゲッサン/連載) 評価 3/10
6月(16P)↑ 7月(16P)↓ 8月(16P)↓ 9月(16P)↓ 10月(16P)↓
ありがちな漫画なので余程の売りがないとヒットはしないと思いましたが
反面で手堅く読める作品になるのだろうな・・・と思っていたんですが
結局、その後は長期低迷
テンプレートのような設定を使った割っている割に
最低限の面白さも打ち出せてないのが気になります。
『イボンヌと遊ぼう! 』というタイトルなので
セールスポイントはイボンヌ先生の魅力なのだと思いますが
肝心のイボンヌ先生のキャラが弱いんじゃないかと。
あと、少ないページの中でデジャブを感じるほどパターンがなくて
またこれかみたいな風に思ってしまいます。
やってることが延々同じなんですよね・・・
ネタも尽きたところでもうそろそろ連載終了でもいいんじゃないかと。
『NO.1海童』 鳴海アミヤ (ゲッサン/連載) 評価 5/10
8月(35P)↑ 9月(34P)↑ 10月(32P)↓
週刊少年ジャンプ的な勢いのある漫画だと思いますが週刊向きのような気がします。
月刊でこのテンションを見せられてもついていけませんね。
ページ数の多さもマイナスに出てると思います。
週刊で18ページなら勢いで突っ走れますけど
月刊で30ページ超でやっているのでどうも間延びしている感が否めないです。
これは掲載誌を間違えましたね・・・。
